▼   ▼   ▼  広報コバヤシ (2003.03.18号)▼   ▼   ▼ 

ゲルニカ、逃げるにか?
 ブッシュ米大統領が(日本時間18日午前10時)、ホワイトハウスからTVを通じてイラクのフセイン大統領に亡命するよう求め、48時間の猶予の間に出国に応じない場合は、米英軍を主体とする多国籍軍による攻撃に踏み切ることを明言した。イラク政府はフセイン大統領の亡命を拒否しているから、開戦は不可避の情勢となったことになる。

 しかしながら、もはやイラクの武装解除やフセイン追放といった問題というより、多国間の協調による新たな国際秩序の構築か、国際非秩序によるカオスの状態に陥るかといった地球の運命を豹変させる事態に直面するにいたっているといったほうがよい。国連という場が結局のところ国益を追求する場と化してしまっているということは明白で、次にひかえる北朝鮮の核問題において、日本と韓国という主役が不在の国連安全保障理事会ではどんなことになってしまうのだろう。

 ”ピカソの「ゲルニカ」Guernica”とは、1937年スペインの町ゲルニカに、フランコ将軍の側にたったドイツ飛行機 による無差別爆撃が行われたとき、祖国(スペイン)を離れてパリに住み着いていたピカソが、この惨劇に対し一芸術家として怒りを描いたとする大壁画のこと。この時、当時のアメリカ大統領フーバーは「非戦闘員の殺傷が不正であること」を再確認する書簡を発表しているが、このスペイン内乱のあと不幸にも第二次世界大戦へと突入していった。

右写真=13日、平和を訴えるピカソの有名な「ゲルニカ」のタペストリーをバックに記者団に語るスペインのアリアス国連大使(AP=共同)
 先日来イラク査察関係のテレビニュースを観ていて「あっ!」と思ったことがある。パウエル国務長官がイラクの兵器隠蔽を非難する演説をしたのを機に、安全保障理事会の前の廊下にあるピカソの「ゲルニカ」(複製)がニュース画面に入らないよう幕で隠されてしまったのだ。ご存知だっただろうか。

 まあこれから爆撃をするという宣言の場で「ゲルニカ」が飾られていたら、やっぱりまずいと思ったのだろう。この件については世界中から問い合わせが多かったらしく、国連事務局側は、「他意はなく、各国代表が通る廊下がよくテレビ撮影されるので見栄えをよくしただけ」と説明している。

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